Feature — Clipboard
同じ文字を、二度打たない
クリップボード履歴・定型文・パスワード金庫
Windows のクリップボードは、コピーした内容を1つしか覚えません。次にコピーした瞬間、前のものは消えます。Capture Core は、コピーした内容を100件まで残し、よく使う文は登録しておけるようにしました。パスワードのような見せたくない値は、暗号化した金庫に入れておけます。
1. コピーは、次のコピーで消える
作業中、こういうことが起きます。参考ページの URL をコピーする。書きかけの文章に貼る前に、別のところで単語をコピーしてしまう。さっきの URL は、もうどこにもありません。元のページを開き直して、探し直しです。
住所やメールアドレスのように、何度も同じ文字を打つ場面もあります。問い合わせへの返信、フォームの入力、いつも同じ書き出しのメール。打つたびに変換して、打ち間違いがないか読み返します。
どちらも、コピーの周りが手薄なせいで起きています。Capture Core はスクリーンショットのアプリですが、この部分の道具も同じアプリの中に入れました。理由は§8 で書きます。
2. 入っているのは3つ
履歴
コピーした内容が自動でたまる。テキストも画像も。100件まで。
Ctrl + Alt + V
定型文
よく使う文を自分で登録しておく箱。グループに分けて整理できる。
Ctrl + Alt + B
金庫
パスワードや暗証番号を暗号化して置く箱。貼ったあとは自動で消す。
定型文の中の 🔒 から
キーはどちらも初期設定の値です。設定画面から好きなキーに変更できます。
3つとも、呼び出すとカーソルのある場所に小さな窓が出ます。アプリの画面に切り替える必要はありません。書いている手を止めずに、その場で選んで貼れます。
3. 履歴は100件。無料版も同じ
テキストをコピーすると、そのまま履歴に残ります。何か操作を覚える必要はありません。画像をコピーしたときも、小さな見本の絵つきで残ります。
- 100件まで。無料版も Pro も同じ件数です
- ピン留めした項目は、100件を超えても消えません。「履歴を消去」でも残ります(消すときは個別に削除します)
- PC を再起動しても残ります。保存先はこの PC の中です
- 残したくないときは、設定で記録そのものを止められます
100件という数は、動作の速さを保つための上限です。購入をうながすための制限ではありません。ここは以前、無料版だけ5件に絞っていました。2026年7月にやめました。1台の PC の中で完結する作業は無料版でも同じにする、という線引きに合わせたためです。
4. 呼び出しから貼り付けまで、キーだけ
Ctrl + Alt + V を押すと、カーソルの位置に履歴の一覧が出ます。各行の左に1文字のキーが振ってあるので、そのキーを押せば選択と貼り付けが同時に終わります。上から 1〜9、10件目が 0、そのあとは a、b、c と続きます。
貼り付け先は、ポップアップを開く直前まで使っていたアプリです。メモ帳の入力欄をクリックしてから呼び出せば、そのメモ帳に貼られます。
| 操作 | 動き |
|---|---|
| 行のキーを押す | その項目を貼り付けて、窓を閉じる |
↑ ↓ と Enter | 選んでから確定する。キーを覚えていなくても使える |
/ | 絞り込みに切り替える。件数が多いときはこちらが早い |
Ctrl を押しながら選ぶ | 貼らずに、クリップボードに載せるだけ |
Shift を押しながら選ぶ | 貼っても窓を閉じない。続けて別の欄に貼れる |
Esc | 閉じる。ほかに、別のアプリをクリックする・30秒放置するでも閉じる |
呼び出しは Ctrl・Shift・Alt の2度押しに割り当てることもできます。こちらは初期設定では何も割り当てていません。ふだんの入力で誤って出てしまうのを避けるため、使う人が自分で選ぶようにしています。
管理者権限で動いているアプリなど、外からの貼り付けを受け付けない場所もあります。その場合も内容はクリップボードに入っているので、そのアプリのやり方で貼り付けてください。
5. 順次貼り付け
申込みフォームに、名前・住所・電話番号・メールアドレスを入れる場面を考えます。ふつうは「元の資料でコピー → フォームに戻って貼る → また資料に戻る」を4往復します。
順次貼り付けは、この往復をなくします。先に4つコピーしておいて、あとは貼る側で Ctrl + V を4回押すだけです。押すたびに、次の内容へ自動で進みます。
モードを入れる
ポップアップの「順次」を押す。古い順と新しい順を選べる
まとめてコピー
資料の側で、必要なものを上から順にコピーしていく
貼る側で Ctrl+V
1回押すごとに次の内容へ。欄を移りながら押していく
使い切ると終わり
音が鳴ってモードが切れる。クリップボードも空になる
積んだ内容と残り件数は、ポップアップに出ます。何番目まで貼ったか数えなくて済みます。
最後の1つを貼り終えたあと、モードは自動で切れます。同時にクリップボードも空にします。ここは意図してそうしました。貼り終えたあと、勢いでもう一度 Ctrl + V を押してしまうことがあるからです。クリップボードに最後の内容が残っていると、次の欄に同じものが入ってしまいます。空にしておけば、その一押しは何も起きません。
モードはアプリを再起動すると解除されます。入れっぱなしを持ち越さないためです。使うたびに入れ直してください。
進むのは、自分の指で押した Ctrl + V だけです。マクロツールや左手デバイスが送るキー入力では進みません。順次貼り付けを使うときは、貼り付けだけはキーボードで押してください。
6. 定型文と、長文のボックス
履歴が「勝手にたまるもの」なら、定型文は「自分で置いておくもの」です。あいさつ文、よく使う返信、メールの署名。グループを作って、その中に項目を並べます。Ctrl + Alt + B で呼び出して、履歴と同じように1キーで貼れます。
ボックスには2種類あります。ふつうの定型文と、長文用のボックスです。長文用は編集画面が広く、改行の多い文をそのまま置いておけます。
呼び出しのポップアップは、履歴と共通です。Ctrl + Alt + B で定型文のタブを開いた状態で出せますし、履歴から Tab で切り替えることもできます。
- メールの署名や、定型の返信文(数行にわたるもの)
- 作業手順の説明文。毎回ほぼ同じことを書いて渡すもの
- AI に投げるプロンプト。長いうえに毎回同じ書き出しで、打ち直すには長すぎるもの
定型文は無料版でも Pro でも同じように使えます。グループ分けも、長文のボックスも、件数の制限もありません。
7. パスワードは金庫に入れる
定型文に置きたくなる値のうち、Wi-Fi のパスワード、暗証番号、API キーのような見られたら困るものがあります。これを平文のまま置くと、定型文の一覧を開いた人に読まれます。画面を共有していれば、そのまま映ります。
そこで、金庫という種類のボックスを用意しました。中に入れた値は暗号化して保存します。開くにはマスターパスワードが要ります。
| 仕組み | 中身 |
|---|---|
| 鍵の作り方 | マスターパスワードから鍵を作ります(Argon2id)。マスターパスワードそのものは保存しません。合っているかどうかは、鍵で試しに開けてみて判定します |
| 値の守り方 | 1つずつ AES-256-GCM で暗号化します。金庫の中は項目の名前も暗号化します。名前だけで中身が分かってしまうことがあるためです |
| 毎回の入力 | 「この端末で記憶」を選べば、次から入力なしで開きます。鍵は Windows の資格情報に預けます。設定ファイルの中には書きません |
| 貼るときの確認 | 貼り付け専用の暗証番号を、追加で設定できます。設定すると、金庫が開いた状態でも貼る前にもう一度たずねます。たずねる間隔は選べて、初期設定は毎回です。間違いが続くと、しばらく待つ必要があります |
| 貼ったあと | 30秒でクリップボードを空にします(初期設定の秒数。変更できます)。その間に自分で別のものをコピーしていれば、そちらは消しません |
| 履歴と同期 | 金庫から貼った値は、履歴に残りません。端末間の共有にも流れません |
金庫は、初期設定では呼び出しポップアップに出しません。ふだんの貼り付けに混ざらないようにするためです。よく使う人は、設定で出すようにできます。
パスワード管理ソフトの代わりにはなりません。ブラウザのログイン欄への自動入力は持っていないためです。金庫が向いているのは、手で貼る値です。
8. スクショアプリの中にある理由
「スクリーンショットのアプリに、なぜクリップボード管理が入っているのか」。もっともな疑問だと思います。理由は、撮影とクリップボードが同じ場所を取り合うからです。
Capture Core は、撮影すると画像をクリップボードにも載せます(初期設定)。撮ってすぐチャットに貼れるようにするためです。ここで、別のクリップボード管理ソフトを併用していると困ったことが起きます。撮った画像が片っ端から履歴に積まれて、コピーしたテキストが押し出されます。10枚撮れば、10件分の履歴が流れていきます。
別々のソフトで持つと
埋まっていく
同じアプリの中にあると
見分ける 履歴には入れない
(ライブラリにある)
撮影した画像はライブラリに保存済みです。履歴にも積むと同じものを二重に持つことになります。そこで、撮影のときにクリップボードへ載せた画像は自分が載せたものだと見分けて、履歴に入れないようにしました。別々のソフトでは、この見分けができません。
もうひとつ。画面の文字を Ctrl + Shift + PrintScreen で読み取ると、その文字はクリップボードに入ります。読み取った文字は、そのまま履歴に残ります。撮る・読み取る・貼るが、ひとつながりになります。読み取りの仕組みは撮ったスクショを、中の文字で探すで説明しています。
9. 端末をまたぐとき
ここまでは1台の PC の中の話です。仕事用と自宅用のように PC を2台使っていると、「あっちでコピーしたものを、こっちで貼りたい」場面が出てきます。
履歴と定型文は、端末のあいだで共有できます。クラウドは経由しません。端末どうしが直接つながります。仕組みは画像の同期と同じもので、P2P 端末間同期で説明しています。
共有は初期設定ではオフです。クリップボードには自分で思っている以上のものが入るので、使う人が自分で有効にする形にしました。画像まで共有するかどうかは、さらに別のスイッチで選びます。こちらもオフから始まります。
この共有は Pro の機能です。端末をまたぐ機能は Pro、1台で完結する作業は無料版という線引きに沿っています。
10. 無料版と Pro
| できること | 無料版 | Pro |
|---|---|---|
| 履歴100件(テキスト・画像) | ○ | ○ |
| 順次貼り付け | ○ | ○ |
| 定型文(グループ分け・長文ボックス) | ○ | ○ |
| 金庫を開く・中を見る・書き換える | ○ | ○ |
| 金庫を新しく作る | — | ○ |
| 端末をまたいだ共有 | — | ○ |
Pro が受け持つのは、金庫を新しく作ることと、端末をまたぐ共有の2つだけです。日々の貼り付けは無料版で完結します。
金庫については、作るところだけを Pro にしています。すでに作った金庫は、Pro をやめたあとでも開けます。中を見ることも、書き換えることもできます。自分で預けたデータが取り出せなくなる作りにはしません。
ここまでは機能の線引きです。使う場面にも線があります。無料版でお使いいただけるのは個人の私的な利用の範囲で、仕事でお使いになる場合は Pro のライセンスが必要です(会社や団体での使用、個人事業主・フリーランスの業務、成果物の納品や販売を含みます)。詳しくは無料版と Pro の線引きをご覧ください。
11. よくある質問
パスワード管理ソフトの代わりになりますか
なりません。ブラウザのログイン欄に自動で入力する機能は持っていないので、Web サービスのIDとパスワードの管理は専用のソフトのほうが向いています。金庫が向いているのは、Wi-Fi のパスワード、暗証番号、API キーのように「ときどき手で貼るけれど、平文のメモに置いておきたくない値」です。定型文と同じ場所から呼び出せて、中身だけ暗号化されている、という位置づけです。
履歴にパスワードが残るのが不安です
3つの対処があります。まず、金庫から貼った値は履歴に残りません(同期にも流れません)。次に、履歴そのものを記録しない設定にできます。最後に、残ってしまった項目は個別に削除できますし、まとめて消すこともできます。
撮ったスクリーンショットで履歴が埋まりませんか
埋まりません。撮影のあと自動でクリップボードに載る画像は、自分が載せたものだと見分けて履歴に入れないようにしています。撮った画像はライブラリに保存されているので、履歴にも置くと二重になるためです。あとから自分でその画像をコピーしたときは、ふつうに履歴へ入ります。
無料版だと履歴の件数が少ないですか
同じです。無料版も Pro も100件です。この100件は動作の速さを保つための上限で、購入をうながすための制限ではありません。ピン留めした項目は、100件を超えても消えません。
別のクリップボード管理ソフトと一緒に使えますか
使えますが、呼び出しのホットキーが重なると、あとから起動したほうに取られることがあります。どちらかのキーを変えてください。Capture Core 側のキーは設定画面から変更できます。
12. 次に読む
- 撮ったスクショを、中の文字で探す — 画面の文字を読み取って、そのままクリップボードへ
- P2P 端末間同期 — 履歴と定型文を端末のあいだで共有する仕組み
- 左手デバイスでスクリーンショット — キーを送れる機器なら、機種を問わず割り当てられます
- 使い方ガイド — インストールから最初の1枚まで